日本でも大きな話題となっているフェイスブック(Facebook)の株式上場。日本の企業ではNTTドコモ以上の規模、マクドナルドと同程度とみられる規模であることが予想されています。ところが、このフェイスブックの上場で思わぬ「棚からぼたもち」を得た人もいるようです。
壁に絵を描くグラフィックアーティストのデビッド・チェ(David Choe)さん(35歳)は、7年前の2005年にカリフォルニア州パロアルスにあるフェイスブックのオフィスの壁に絵を描くように依頼を受けました。その報酬として、当時の社長ショーン・パーカーから数千ドル(数百万円程度)の現金か、その価値に相当するフェイスブックの株式を選ぶように提示されました。デビッドさんはその報酬を株式で受け取りました。
依頼を受けて絵を描いていた当時の様子
デビッドさんが受け取った株式の報酬は、その7年後の2012年5月に予定されているフェイスブックの株式上場によって推定2億ドル(約152億円)になるといい、億万長者の仲間入りを果たすこととなりそうです。
デビッドさんは、フェイスブックから提示されたとんでもないアイデアに悩んだものの最終的には株式を選択したといいます。
元従業員によると、会社設立後から形成期には多くの顧問がフェイスブックの経営に関わっていたようで、彼らにはフェイスブック全体の0.1%~0.25%の株式が支払われていました。それらは、株式上場によって信じられない額へと変貌します。
デビッドさんは、2004年にはジェイ·Zやリンキン・パークといった有名ミュージシャンのアルバムカバーを手掛けていました。
デビッドさんは、「ダーティースタイル」と呼ばれる特徴的な絵の描き方をしており、これは自身が左利きであることから子供のころに描いた作品をよく汚していたことから生み出されたといいます。また、ときには自分の血を使って絵を描きます。
株式公開を感謝してスタッフが「ありがとう」のメッセージを持った写真が公開されました
今後、フェイスブックは調達した資金を使って宇宙船開発、マヤ遺跡の発掘プロジェクトなどに資金を投下すると見られています。
また、最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグは2011年の報酬が50万ドル(約3800万円)でしたが、2013年は1ドル(約76円)となります。
フェイスブックは、現在8億4500万人の月間アクティブユーザー、4億8300万人のアクティブユーザーが存在するとされています。2011年の売り上げは37億ドル(約2820億円)利益は6億6800万ドル(約509億円)とされており、その85%は広告によるものです。さらに、日本・韓国・中国では普及率が低く、中国での市場浸透率は0%であるため伸び代も多いと考えられています。※参考