アメリカのIT企業アップル社は、5日、スティーブ・ジョブズ取締役会会長が同日死去したと発表した。56歳だった。肝臓ガンの療養中だったジョブズ氏は、今年8月にCEOの職をティム・クック氏に引渡し療養に専念していた。
ジョブズ氏の死に、世界中の著名人やユーザーからは彼の業績に対する賞賛と早い死を惜しむ声が寄せられた。
ジョブズ氏の訃報を聞いて各界からコメントが寄せられた。
オバマ大統領
「スティーブは最も偉大なアメリカのイノベーターの1人だった──物事を別のやり方で考える(think differently)勇気があり、世界を変えることができると信じる大胆さがあり、そしてそれを実現するための才能があった」
「世界はビジョナリーを失った。彼が発明したデバイスから世界が学んでいくことが、彼の成功に対する一番の追悼になるだろう」
マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏
「スティーブと私は30年ほど前に出会い、お互いの人生の半分以上を通じて仲間であり、競争相手であり、そして友人だった。スティーブのような多大な影響力を持った人は世界でもまれであり、これから先も多くの世代に影響を残すだろう。一緒に仕事をすることができたのは幸運であり、非常に光栄なことだった。」
フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO
「スティーブ、師であり友人でいてくれたことに感謝している。自分が作りあげたもので世界を変えることができることを示してくれて、ありがとう。いなくなってさびしい」
グーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏
「スティーブについての知らせを聞いて、とても悲しい。スティーブは、信じられないほどの功績をあげ、驚くほどの才能を持ったすばらしい人物だった。スティーブはいつでも、人が以前から考えているべきだったことを、ごく少ない言葉で語ることができたように思う。スティーブが何にもましてユーザー体験に注力していたことは、わたしにとって常に刺激となっていた」
グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏
「グーグルの初期から、ラリーとわたしがビジョンとリーダーシップのためのインスピレーションを探し求めるときはいつでも、クパチーノ(アップル本社のある場所)より遠くに目を向ける必要がなかった。スティーブ、卓越さに対するあなたの情熱は、アップルの製品(わたしが今これを書いている「MacBook」を含めて)に触れたことのある人ならだれもが感じている。そしてわたしは、あなたと会った何度かの機会に、そのことを直接目にしている」
ジョブズ氏の死去は、奇しくも新型iPhoneモデル「iPhone 4S」の発表直後だった。
これまでにも何度となく病気を患っては克服してきたジョブズ氏だが、8月下旬には異常な痩せ方をしている姿が捉えられ、健康面を心配する声が挙がっていた。
2004年には膵臓ガンと診断され、2009年には肝臓の移植手術を受けていたジョブズ氏は、その後、復帰を果たしたが2011年の1月17日に再び病気療養のため休暇に入っていた。
ジョブズ氏の自宅の近所に住むApolline Arnaudちゃん(12歳)は、カリフォルニア州にある自宅の前でお別れのメッセージを書き込む
カリフォルニア・サンタモニカのアップルストアでは、従業員がリンゴ型のキャンドルを灯し花を供える
カリフォルニア・パサデナのアップルストアでは、リンゴに「さよなら」のメッセージ
ニューヨーク5番街のアップルストアには「スティーブ愛してる」のメッセージ
サンタモニカのアップルストアのウィンドウには「ありがとうスティーブ」のメッセージ
これまでに、革新的な製品と素晴らしいスピーチで多くの人々を元気付けてきたジョブズ氏。
最後に彼の言葉を引用させてもらう。
「Death is very likely the single best invention of life.It is life’s change agent.It clears out the old to make way for the new.」
「”死”は”生”による非常に優れた唯一で最高の発明品だ。”死”は”生”を変化させるものだ。”死”は古いものを消し去り、新しいものの道を開く」