戦争というものは、巻き込まれた一般市民だけでなく、戦場に投入された兵士たちにも大きな被害を与えるものです。
今回はオランダ人写真家Claire Felicieさんによって撮影された、アフガニスタンに展開したオランダ海軍の兵士たちの顔写真を比較したポートレート15枚をご紹介します。(左)「派兵前」(真中)「戦場で展開中」(右)「帰還後」の順番となっています。
一見すると、それほど変わっていないように見えますが、戦争後の目の光やうつむいた視線からは戦場の厳しさがうかがえます。
Remonさん(21歳)
派兵前は口元に笑みの痕跡がありますが、作戦展開中は厳しい表情となり、帰還後は覇気がなくなっています。
これらの写真プロジェクトは、Felicieさんの息子トリスタンさんが海兵隊に参加したことと、彼の友人がアフガニスタンへ派兵されたこと始まっています。撮影された写真は全部で20枚あるそうで、写っているのは18歳~26歳までの若者たちです。
ニッキーさん(22歳)
帰還後は表情が暗くなっています。また顔のシワも増えているように見えます。
ダニーさん(20歳)
やはり帰還後はうつろに。逆に作戦展開中には顔に緊張感が見られます。
ジャスパーさん(21歳)
帰還後は、表情の柔らかさが失われ硬直しているようになっています。
Sjoerdさん(22歳)
帰還後は頬もコケて、目も落ち窪んでいます。
スヴェン(20歳)
彼は写真撮影の数週間前に仲間を2人失っています。
Emiel(26歳)
彼は、その体験から「アフガニスタンに来るべきではなかった」と語りました。
あまりハッキリとは分かりませんが、派兵前にはゆったりした表情、展開中は厳しく緊張した表情、帰還後は気力が失せて沈んだ表情を見て取ることができます。戦争は、兵士となった多くの若者の精神や肉体もすり減らすことが良く分かる15枚の写真でした。