研究者が、タバコを吸う人々が日常的な記憶の約3分の1を失う可能性があることを発表しました。
ノーザンブリア大学の研究チームの調査によると、非喫煙者に比べて喫煙者は記憶を多く失っていることが分かりました。また、喫煙の習慣を止めることによって非喫煙者と同程度のレベルに記憶能力が回復することも発見しました。
研究は18歳~25歳の70人を対象に行いました。参加者には、学生組合と音楽を聴きながら遊んでもらった時のことを、細部まで事細かに思い出してもらいました。
その結果、喫煙者は59%の事柄しか思い出せなかったのに対して、喫煙習慣を止めた人は74%、非喫煙者は81%の事柄を思い出しました。
ノーザンブリア大学のTom Heffernan博士は、今回の実験結果が反喫煙キャンペーンに役立つだろうと語りました。また「イギリスでは1000万人、アメリカでは4500万人の喫煙者がおり、喫煙による日常記憶の機能不全を理解することは重要である。そして今回の結果は優れた例だ」と語りました。
さらに、これまで喫煙を止めることによる身体の健康の改善は知られているが、認知機能(脳)への影響も知られることでより禁煙が推進されるだろうとしています。
Heffernan博士は今後、タバコから出る副流煙がカーテンや家具に残ることによる健康上の影響を調査する予定だそうです。
Heffernan博士はこれまでにも、若年層の飲酒による記憶へのダメージを研究しており、若年層がアルコールを摂取することで記憶へのダメージがあることを理解していないことを危惧しています。
もしかすると、タバコを止めない人はタバコに関係なく記憶力が低く、喫煙しても止められる人は記憶力が比較的高く、喫煙しない人は記憶力が高いという可能性も無きにしも非ずのような気もするので、喫煙前後の記憶力調査などもしてもらいですね。