1835年に新聞を創刊するためには、多額の資本が必要でした。しかし、現在はインターネットによってそれらのコストはほとんどかからなくなっています。ヨハイ・ベンクラーは、それらの構造変化によって見えてくるものから、「Wikipedia」や「Linux」の様な共同プロジェクトがどのように未来の組織体のモデルになり得るのか説明します。
これまでの生産方式では、労働は1箇所に集まって1人1人がその時間の多くを費やすことが必要不可欠でした。また、それらを運営管理できるのは、大資本をもった一部の人間に限られていました。しかし、インターネットの普及によって、このような生産方式は一変したとヨハイ・ベンクラーは語ります。
インターネットによって、これまで一括管理されていた労働と資本は、多くの人々の手に委ねられるようになりました。さらに、短い労働時間でも十分に成果をあげられるようになったことで、労働の動機付けが経済的な理由から「面白そうだから」「楽しそうだから」という精神的なものへと変化したといいます。
これらによって生み出された「社会的生産物」は、従来の生産品を駆逐し、生産における新しいモデルとなっていくだろうといいます。