ライス大学教授のリチャード・バラニックが、自身のオープンソース・オンライン教育システム「コネクションズ」を支えるビジョンについて語ります。「コネクションズ」は、教師が教材をオンライン上で共有したり自由に修正を加えることを可能にし、世界中どこからでも、そこから教科書を作り出すことができるシステムです。
リチャード・バラニックは音楽分野で行われている「音楽を分解して組み合わせることによる再生産」を本・知識分野において行おうとしています。それはちょうどニコラス・ネグロポンテが行おうとしていたハードウェアの普及による知識の共有の”ソフトウェアバージョン”と言えます。
もし世界中にある専門書などの知識を1つのデータベースにまとめ、新たに組み合わせて新しい知識を生み出す(もちろん各国の地域に合わせた言語で)ことが行われ、それに誰もが簡単に無料でアクセスできるようになれば研究・開発・教育などのコストは下がるといいます。
しかし、問題となるのが質ですが”ウィキペディアにおける執筆者同士のコミュニティー形成による質の維持”のように査読して質の維持を保つためにソーシャル・ソフトウェア「レンズ」の開発を進めているといいます。
この試みが目指すものは”知識の共有”であり、これは既存の知識の在り方(著作権など)と対極にあると言っても過言ではありません。また「既存型の社会システム」vs「新型社会システム」だとも捉えることが出来ます。
2つの勢力のパワーバランスの変化と「新型社会システム」の勃興は、社会全体の大きな変化の過渡期であることを示しています。