携帯電話のパスワードを他人に破られて、大切な個人情報が漏洩することがなくなるかもしれません。
ソフトバンクモバイル株式会社は、知能画像処理技術の開発などを行うユニバーサルロボット株式会社との共同開発で、世界で初めてスマートフォンなどのカメラで、静脈と掌紋を同時に抽出して手のひら静脈から認証可能なハイブリッド型の個人認証ソフトウェアの開発に成功しました。これにより、専用装置を使用せずに、スマートフォンなどのカメラを利用した、汎用的な手のひらの静脈による個人認証が実現するといいます。
近年、なりすましなどによる被害防止のため、利用者の生体情報を利用して個人認証を行う技術の普及が進んでいます。一方で、個人認証技術には専用の機器が必要であったり高価であったりと、導入を妨げる要素が多数あったため、広く普及してきませんでした。
しかし今回開発されたソフトウェアは、可視光を利用した独自の静脈検出アルゴリズムを搭載することにより、スマートフォンやスマート家電などに搭載されているカメラによる、手のひら静脈の認証を可能としました。そのため、従来の手のひら静脈認証に必要だった赤外線を用いた専用装置がなくても静脈認証が可能となりました。さらに、今回の認証技術は、可視光を利用して取得した手のひらの画像から、静脈と掌紋の形状を同時に抽出するハイブリッド認証を取り入れた、世界で唯一のテクノロジーとのこと。
体内情報である静脈の形状はなりすましや偽造が難しい一方で、手のひらの表層情報である掌紋の形状は情報を取得することが容易なため、これらを組み合わせることにより、より高精度で安定した認証を実現しています。
この手のひら静脈ハイブリッド認証ソフトウェアをアプリケーションとして、スマートフォンなどに搭載することで、カメラさえあれば、いつでもどこでもインターネットサービスの各種認証やネットバンキングなどの決済認証まで、安全な認証を実現できるようになるといいます。
またソフトバンクモバイルとユニバーサルロボットは、この個人認証ソフトウェアを2012年度中に製品化することを目指しているといいます。
カメラのあるガジェットなら、導入できるというこの個人認証システム。多くのスマートフォンで利用できるなど汎用性が高いため、生体認証が広く普及するきっかけになるかもしれませんね。