通常、宝石や貴金属から作られた装飾品は動き回ることなどありえませんが、メキシコにはマヤ時代から伝わる「動き回る宝石」なるものが存在します。この「動き回る宝石」は、なんと生きたカブトムシなどの甲虫に宝石を貼り付けるというもの。世界でも類を見ない、ユニークな伝統の宝石をご覧ください。
この「動く宝石」は「Maquech beetle」と呼ばれており、1980年代からメキシコの宝石愛好家の中で広がってきたものとされています。また、その起源は古代マヤ文明に遡るといわれています。カブトムシなどの甲虫の身体に、本物の宝石を接着することで作られています。
非常に残酷なように見える「動く宝石」ですが、虫たちは宝石によって自由を制約されていますが基本的に動き回ることができるといいます。また、実際にアクセサリーを付ける場合には、虫に付いている鎖の一方をピンで服につなぐことで、虫たちは服の上を移動するブローチと化し、虫たちが逃げることもなくなります。
この動く宝石となった虫たちは、適切な世話をすることで3歳~4歳まで生きることができます。これらの宝石を服に付けていることが、最近ではメキシコ国内で徐々に人気が上がってきているといいます
宝石が動き回る姿にはギョッとしそうですが、動きもそれほど速くなく、見た目も美しいことから古代のマヤ人にすると最先端のオシャレだったんでしょうね。非常に面白いメキシコの文化でした。