外科医であるアンソニー・アタラが、いつか臓器提供者の問題を解決するかもしれない初期段階の実験を披露します。生きた細胞を使った3Dプリンターによって移植可能な腎臓を出力するのです。10年前、アタラ博士の若い患者ルーク・マセラはこれと似た技術を使って作られた膀胱を手にしました。ステージにその彼がやってきます。
アンソニー・アタラによると、現在、臓器移植を必要としている人の数は増加しているにも関わらず、臓器提供者の数は増えておらず、圧倒的に臓器不足の状態だといいます。そこで、臓器を作成する再生医療が注目されているといいます。
再生医療は1930年代から研究されているほど古い概念ですが、ある3つの理由から臨床が行われていないといいます。理由の1つ目は、身体の中で長期間動き続けるのか。2つ目は、身体の外で育てられる細胞が少なかったこと。3つ目は脈管で、再生した臓器や組織が血管でつながり維持できるか、だといいます。しかし、現在の技術では、これらの問題の多くを解決できており、再生医療を実用できるだけの準備は整っています。
さらに臓器の作成には、患者から摂取した細胞を培養し臓器を作る方法や、3Dプリンターを使って作る方法が考え出されています。3Dプリンターを使う方法では、直接、患者の身体の中に臓器をや細胞を印刷し、欠損箇所を回復させてしまうといいます。
3Dプリンターが医療で利用されるようになれば、理論上、ほとんどの病気や怪我はすぐに治せるようになります。現時点で、ある程度の臓器の作成ができているのを見ると、本格的に実用化されるのもそう遠くはなさそうですね。