以前、エサを食べると後ろ足が浮き上がる頭が大きい子犬をご紹介しましたが、研究者は蟻(アリ)の頭を大きくする不思議な方法を発見しました。
蟻が幼虫の間に軽く叩いてやることで、特殊なホルモンが生成されて「スーパーソルジャー」と呼ばれる巨大な頭を持つ蟻が誕生することが明らかとなりました。
このスーパーソルジャーは、野生ではほとんど発生しないものですが、アメリカやメキシコの砂漠地帯に生息する種類の中には、外敵から巣を守るための役割を担うスーパーソルジャーの存在が確認されています。
スーパーソルジャーの役目は巣の入り口をブロックし、外敵が巣の中に侵入するのを防ぐことで、その際に巨大な頭を有効活用します。
研究者によると、オオズアリ(西日本では人家近くでよく見られる小型のアリ)に属する仲間には、全ての固体にスーパーソルジャーになるためのホルモンが存在しているといいます。また、幼虫のときに軽く押すことで発動するこのホルモンを無効化する遺伝子も兼ね備えているといいます。
カナダ、McGill大学のRajendhran Rajakumar教授たちのチームは、このスーパーソルジャー遺伝子は3500万年前~6000万年前の蟻の持っていたもので、幼虫を押すことでホルモンが働き先祖返りするのではないかと考えています。また、先祖の持っていた遺伝子を保持し続けることが、身体的進化において重要な役割を果たしていることを示唆していると指摘しています。
叩かれるだけで頭が大きくなるなんて・・・生命はやはり謎と神秘に包まれていますね。