エイズを引き起こすHIVウイルスの治療法を研究するために、蛍光クラゲから採取した遺伝子を使って遺伝子操作された光る猫がイギリスで生み出されました。
韓国でもパーキンソン病やアルツハイマー治療のために遺伝子操作された蛍光犬が生み出されており、世界的に遺伝子レベルでの病気の治療法研究が進められています。
この研究の目的は、HIVウイルスを防ぐタンパク質を生み出す遺伝子をクラゲの発光遺伝子を使って見つけ出すことです。クラゲ遺伝子が組み込まれた猫に紫外線を当てると、クラゲ遺伝子によって生み出されたタンパク質が発光し猫の身体や爪が光ります。
遺伝子組み換えを行った研究者は、この方法でHIVウイルスの治療法を調べるスピードが上がると言います。
また、この研究によってネコ科の動物がかかる病気のウイルスの研究にも役立つため、猫の健康状態を向上させることができます。
しかし、この研究には批判も上がっており「研究に使っている実験動物の数を減らすべきだ」という声も上がっています。
発光猫の作成方法は、猫の卵子に無害なウイルスを使って発光タンパク質を作る遺伝子(発光遺伝子)と、猫のHIVウイルスやFIVウイルスと戦う遺伝子(抗HIV・FIVウイルス遺伝子)を入れ、体外受精で代理母猫に生ませました。
22回の実験で5匹の子猫が生まれましたが、そのうち生き残ったのは3匹でした。この子猫から取り出した細胞は、通常の猫の細胞よりもFIVウイルスの感染に対する抵抗力が優れていました。
遺伝子操作による研究では合成獣(キメラ)が作られるなど倫理的な問題が指摘されています。早期の治療法発見による死亡者の減少と動物愛護という倫理観の難しいジレンマに直面しています。