突然ですが、皆さんは「キビヤック(キビャック)」という食べ物をご存知でしょうか。漫画『もやしもん』も中にも登場した食べ物のため、知っている人も多いかもしれません。この「キビヤック」という食べ物はエキゾチックな響きとは対照的に、非常に生々しくてえげつない「ゲテモノ料理」とされているアザラシと海鳥を使った発酵食品です。今回はこの「キビヤックについてご紹介します。
キビヤックは、グリーンランドのカラーリット民族やカナダのイヌイット民族、アラスカ州のエスキモー民族が作る伝統的な漬物の一種、発酵食品です。海鳥(ウミスズメ類)をアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作ります。
キビヤックの材料となるのは、現地でアパリアスと呼ばれる海鳥の一種とアザラシです。北極圏の短い夏の間に飛来したアパリアスの群れを、虫取り網のような道具を使ってまるで虫を捕るかのごとく捕獲します。
賞味の様子
作り方は、まずアパリアスを直射日光の当たらない涼しい場所に1日ほど放置して冷やします。
次に、アザラシの腹を裂いて皮下脂肪を残して内蔵と肉を取り出し、袋状になったアザラシの中にアパリアスをそのまま数百羽ほど詰め込んでアザラシの腹を縫合します。縫合部には、ハエが卵を産み付けるのを防ぐために、日干ししたアザラシの脂(プヤ)を塗ったりもするようです。
これを地面に掘った穴に埋めて、空気抜きとキツネなどに食べられないようにするため上に石を置いて2ヶ月から数年間放置・熟成させます。
最後にアザラシを掘り出して、中からアパリアスを取り出して賞味します。非常に臭い食べ物の1つともされています。
食べるときには、アパリアスの尾羽を除去した後、総排出口に口をつけて発酵して液状になった内臓をすすります。また、肉も、皮を引き裂きながらそのまま食べ、歯で頭蓋骨を割り中身の脳味噌も食するといいます。他にも、液状になった内臓を調味料として焼いた肉などにつけて食べることもあり、発酵により生成されたビタミンを豊富に含むため加熱調理で酸化・分解してしまった生肉中のビタミンを補う機能があるとされ、かつては極北地域において貴重なビタミン源の一つであったようです。
さらに、誕生日、クリスマス、結婚式や成人式などの祝宴の席でよく供され、食されるものだといいます。
食べてみた
このキビヤックは、単なる1つの調理法というわけではなく、保存食としても機能しており、苛酷な環境を生き抜くために生み出されたようです。食べている姿を見る限り、かなりグロテスクで非常に臭いようですが、機会があれば1度挑戦してみたくなるような不思議な食べ物ですね。
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