岩の家と言えばトルコの「カッパドキア」が有名ですが、イランの北西部にも「カンドヴァン(キャンドヴァーン)」という岩山を削って作られた村が存在します。この村にある家は、自然に形成された火山灰の岩山の洞窟などを利用して作られたのですが、なぜ、彼らはわざわざ岩山に家を作ったのでしょうか。
「カンドヴァン」は、イラン・イスラム共和国のタブリーズ、オスクー近郊に位置する場所にあり、住民たちは700年以上の歴史があると主張しています。
この岩の家は、昔、チンギス・ハーンで有名な元(現在のモンゴル)の軍隊から逃れてきた人々が作り上げました。これらの家は、地元テュルク系の方言で”カラン”と呼ばれており、これは”蜂の巣”の複数形を意味する単語です。
彼らは、この岩の家を長い年月をかけて拡大しています。2階~4階建ての家には、リビング、貯蔵庫、動物保護施設などがあり、ドア、窓、棚、階段などは岩を削って作られています。
断熱効果の高い岩で出来ているこの家は、年間を通して室温が安定しており、冬は温かく夏は涼しい地球上で最もエネルギー効率の高い住宅の1つと言われています。