ロシア連邦カレリア共和国には、キジ島と呼ばれるオネガ湖に浮かぶ島が存在します。このキジ島には保全を目的として、1960年からロシア全土(当時はソ連)のさまざまな場所から歴史的木造建築物が移設されました。そして今日では、島全体に80以上の歴史的木造建築物が存在しています。その中でも最も有名なのが「キジ・ポゴスト」と呼ばれる木造教会建築群です。
キジ島は、1960年に島全体が木造建築の特別保存地区に指定され、ロシア全土から様々な木造建築が移築されました。1990年には木造教会建築がユネスコの世界文化遺産に登録され、ロシアでも有数の観光地であると同時に世界遺産中、最も人気の高い文化遺産でもあります。
「キジ・ポゴスト」は、16世紀に起源を持つロシアでもよく知られた古い文化遺産のひとつです。
一番上の写真では、顕栄聖堂(プレオブラジェンスカヤ教会)(左)、鐘楼(中央)、生神女庇護聖堂(ポクローフスカヤ教会)(右)となっています。
当時のロシアの建築技法では、クギを1本も使わずに木材を組み上げることで教会を建設しました。顕栄聖堂は、22個のクーポルと呼ばれる玉葱状の屋根が特徴となっており、材料にはトウヒが使われています。この複雑で精巧な上部構造は非常に効率的な換気性能を持っています。
ヨーロッパ的な風情がありながらも、どこかイスラム的アジア的な雰囲気も漂う不思議な建物ですね。まさに世界遺産といえる素晴らしい木造建築物でした。