みなさんも街中で、道路や建物の壁に貼り付いているみすぼらしくて汚ったらしいチューインガムを見たことがありますよね。そんなチューインガムも、カリフォルニアでは芸術のようになっています。
アメリカ・カリフォルニア州サンルイスにある裏通りは、建物の壁にへばり付いた無数のチューインガムが話題となり、現在では「チューインガムストリート」名前で観光地となっています。
この通りの壁にチューインガムが付けられ始めたのは、1950年代にまで遡るといいます。それから50年以上、路地に面している建物の壁には、高さ15フィート(約4.6m)、幅70フィート(約21m)に渡って数え切れないチューインガムが貼り付けられました。
詳しいことは分かっていませんが、商工会議所や歴史家によると、第二次世界大戦後にサンルイスオビスポ高校のあるクラスの卒業イベントでチューインガムを壁に貼り付けたのが最初だといいます。その後、サンルイスオビスポ高校とカルポリ大学の間で競争が起こり、創造的なチューインガムが増え始めました。
1970年代に突入すると、ショップオーナーの「気持ちが悪く、不衛生だ」という至極真っ当な意見によって、2度にわたり完全に清掃されました。しかし、そんなこともお構いなしに、壁にくっつけられるガムの数は増え続けました。そしてとうとう1996年には、壁に対するガムの掃除をすることが許されなくなり、「チューインガムストリート」は市民権を得ることとなりました。
壁には、イタズラでコンドームをくっつける輩もいるそうですが、基本的には子供からお年寄りまでが楽しめる壁となっています。また、不特定多数の人々が日夜、創造的なアートを作り続けています。