哲学者であるダン・デネットは、我々が自分の意識を理解していないどころか、我々の脳はしばしば積極的に我々を騙していると、説得力をもって議論します。見えているつもりのものや、分かっているつもりのことも、実はそこには存在せず、あなたが勝手に作り出しているのかもしれません。
人間は、さまざまな分野の事柄に対して非常に詳しくても、自分のことを”専門家”だとは考えないにもかかわらず、こと意識に関しては”専門家”だと思い込んでいるとダン・デネットは説明します。
しかし実際には、ほとんどの人々が意識について理解できておらず、物事に対して正しい認識をすることは非常に困難であることを、多くの実験によって証明します。これらのことから、人間の意識は実際には、そこにないものをあたかもあるよう認識させたり、そこにあるものをあたかもないように認識させるという特性があることが分かります。
私たちが、分かったような気になっているもののほとんどが、実際には分かっていないのかもしれません。認識に関する認識は、これからもより深いレベルまで掘り下げないと分からないようです。