産業技術総合研究所は、昨年開発したコミュニケーションを支援するアンドロイドロボット「アクトロイド-F」に加え、新たにその男性版となるロボットを産総研オープンラボで一般公開しました。
「アクトロイド-F」は現在、病院などで、オブザーバーとして、患者の安心感を得られるかどうかといった実証実験が進められています。
この弟は基本的な顔の形は姉と同じようですが、カツラ、化粧、服などだけが違うようです。
アクトロイドとは、株式会社ココロが開発した人間そっくりのロボットシリーズで、顔を中心に自由度を12に絞ったことで、従来と比べてシステムの大幅な小型化と軽量化を実現したのが、「アクトロイド-F」の特徴です。今回はさらに、眼球にカメラを仕込んだ事で、ロボットの目線を対象に向けるといったことができるようになりました。
人間の形をしているからこそ存在感があり、いなくなると悲しい気持ちにさえなるという「アクトロイド-F」。そういった効果は、他のデフォルメされたロボットには無い特徴だといいます。
また、こういった人間型ロボットには”不気味の谷”と呼ばれる、見た人間に不快な感情を想起させる現象が発生しますが、調査の結果70人中3~4人しか不快にならなかったそうで、ロボットの存在が認められている可能性が高いようです。
今後も、病院での実験を続けていくと共に、他にも、認知症予防として、高齢者との対話に使ったり、発達障害児のコミュニケーションスキルの向上などに役立てることができないかどうか、実際の現場で検証していきたいということです。