サイモン シネックがシンプルで強力なモデルを使って周りを動かすリーダーシップについて説明します。全てはゴールデンサークルと「何のために」という質問から始まります。成功例として、アップルやマーチン・ルーサー・キング、ライト兄弟を取り上げ、失敗例として (最近の勝訴で株価が3倍になったものの) 苦難の続く TiVo を取り上げます。
サイモン・シネックが唱えるシンプルで強力なリーダーシップモデルとは、ゴールデンサークルというものです。これは「why(なぜ?)」「how(どうやって?)」「what(何を?)」の3つをサークルにしたものです。
ゴールデンサークルは外から中に向かって「what(何を?)」→「how(どうやって?)」→「why(なぜ?)」の3つに分けられており、外から中へ向かうに従い、具体的なものから抽象的なものへとなっていきます。
通常の企業や組織は、人を雇用したり商品を販売する際などの考え、行動し伝えるとき、外から中へと説明していきます。しかし優れた組織では、考え、行動し伝えるときにゴールデンサークルの「why(なぜ?)」→「how(どうやって?)」→「what(何を?)」の順に中から外へと向かいます。
これは生物学の原理にも基づいており、脳もゴールデンサークルと重ね合わせてとらえることができるといいます。「what(何を?)」は大脳新皮質に対応しており、合理的・分析的・言語的思考を司ります。「how(どうやって?)」は新皮質に対応しています。合理的・分析的・言語的思考を司ります。「why(なぜ?)」は大脳辺縁系に対応しており、感情、信頼、忠誠心などを司ります。
そのため、ゴールデンサークルの外側から相手に何かを伝えても、論理的には納得させられても感情的には納得させられず、行動を起こさせることはできません。しかし、ゴールデンサークルの内側から相手に伝えれば、論理的には納得させられなくても、感情的には納得させることができ、結果、行動(購買・労働など)を起こさせることができるといいます。
さらに、モノが売れたり人が動いたりするためには、大衆を先導する少数の人々を最初に動かす必要があるといいます。そういった先導する人々は感情などによって行動を起こすため、ゴールデンサークルの内側から相手に伝えることで、多くの人々を導くことができるといいます。
サイモン・シネックが言うように、人はどれだけ論理的に説明されても最終的には「好き」や「楽しい」などの感情によって動くことがほとんどです。さらに、その感情による行動を、あとから理論付けするという特性さえ兼ね備えています。(欲しい→買う)という具合にアクションを起こすわけではなく、(なんとなく買った→欲しかったに違いない)と考えるわけです。
ゴールデンサークル的な視点から企業や組織や世の中の流れを見てみれば、これまでとは違った見え方がするかもしれませんね。