クロサイは、ケニア、タンザニア、カメルーン、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカに渡るサハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広範に分布するサイの仲間であり、その特徴的な角を持った姿はあまりにも有名です。しかし近年、その角を目当てにした乱獲によって急速に数を減らしています。
そんなクロサイを守るため、人間の近くにきた固体を麻酔で眠らせて、遠くへ運ぶ保護活動が行われていますが、その際のクロサイの輸送方法がかなりダイナミックでした。輸送をしている様子をとらえた写真をご覧ください。
輸送方法は至って単純。麻酔で眠らせた後、ヘリコプターに吊るして運ぶだけというもの。たしかにこの方法だと、オリに入れたり車に積み込んだりするよりも、迅速に安く、しかも少ない人数で輸送することができそうです。
クロサイの角は薬用になると信じられていたり、イエメン北部などではジャンビーヤ(短剣)の柄に用いられるため、角目当ての乱獲が後を絶たないようです。
しかし、こういった地道な保護活動が実り、国際サイ基金によると、クロサイの数は徐々に戻っており、2003年には3610頭、2007年には4180頭と、その数を増やしているようです。また、世界中の動物園等の飼育施設では、飼育下での繁殖によって個体数を増やす努力が続けられています。