心理学者バリー・シュワルツが、選択の自由という西欧社会の根幹をなす教義に狙いを定めます。シュワルツの推定によると、選択は我々を更に自由にではなくより無力に、もっと幸せにではなくより不満足にしています。
シュワルツによると、あまりにも多い選択肢は選択者の期待値を上げ選択した結果の満足度を低下させるだけでなく、無力感を生み出してしまうというのです。
芥川龍之介が「自由は山嶺の空気 に似ている。どちらも弱い者にはたえることはできない。」という言葉を残しましたが、あまりにも自由であるとあらゆることを自分で決定しなければならず、その結果、責任も全て背負うことになってしまいます。しかし逆にあまりにも自由がなければ、最良の選択をする機会が奪われるということが考えられます。
結局のところ、シュワルツが最後に言っているように「丁度いいかんじの自由」というものがどこかにあるんでしょう。つまりは中庸ということになってしまうんでしょうかね。