8月15日に尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家らが不法上陸した事件で、海上保安庁は27日、巡視船から撮影したビデオ映像を報道各社などに公開しました。抗議船を2隻の巡視船が挟み込む様子や、活動家がレンガを巡視船に投げる場面が映っています。海保によると、約7時間の攻防のうち公開したのは約30分間で、「業務に支障が出ない範囲で編集した」としています。
映像では、巡視船「みずき」と「のばる」が2隻で抗議船を挟み込み、停船させる様子が映っており、撮影者の海保職員が「海上保安官により船橋を制圧した」と声を上げる場面も記録されていました。また抗議船に乗っている活動家らが、追い掛ける巡視船に向け、レンガやコンクリート片を投げる場面も確認できます。
一方、映像を見た国会議員からは、強制送還にとどめた政府の対応について、疑問の声が上がっています。
27日夜、映像を見た民主党の中井 洽元国家公安委員長は「現場は頑張ってくれたんだろうが、もう少し、この上陸阻止に向かって、やりようがあったんじゃないかと」と述べました。また、自民党の中谷元防衛庁長官は、映像の公開が非常に遅いと、政府の対応を批判したうえで、今回公開されなかった別の角度から撮影したビデオ映像も、公開すべきだと指摘しました。