常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素「水銀」に振動を与えると、音の周波数によってさまざまな形状に変化します。今回は、水銀と周波数の関係を調べた実験映像をご紹介します。
通常では丸い状態の水銀ですが、周波数の異なる振動を与えると、それぞれの周波数に応じてさまざまな形状に変化していきます。その動きは、まるで生き物のようです。
こちらも実験映像。スローモーションなので、振動によってその形状が変わっていることがよく分かります。
こういった周波数による形状の変化は、水銀だけに起こるものではありません。一般的に知られているのはコーンスターチ(でんぷん)と水を混ぜ合わせたものによる実験で、振動によってさまざまな形状になっているのがよく分かります。
これらの液体に奇妙な変化が起こる理由は、ダイラタンシーであるため。ダイラタンシーはある種の混合物で、小さい剪断応力には液体のように振る舞うのに、大きい剪断応力には固体のように振る舞う性質を持ちます。また、この現象が起こる物体を「ダイラタント流体」あるいは「ダイラタンシー流体」と言い、非ニュートン流体の一種です。