以前、目のサイボーグ化による失明治療についてお伝えしましたが、腕と脳に関しても電脳化とサイボーグ化は進んでいるようです。
脳卒中によって身体が麻痺して動かせなくなった女性キャリー・ハッチンソンさん(59歳)は、脳に埋め込まれたマイクロチップを介してロボットアームを動かすことで、15年ぶりに人の手を借りず朝のコーヒーを飲むことに成功しました。ハッチンソンさんは、コーヒーのタンブラーを掴み口の前に持ってくることをイメージすることで、ロボットアームを動かしたといいます。
映像では、ハッチンソンさんがロボットアームを動かすことをイメージすると、イメージ通りにロボットアームが動き、ハッチンソンさんの口元にコーヒーのタンブラーがやってきました。
アメリカ・ブラウン大学とハーバード大学で神経と工学を研究しているリー・ホックバーグ博士は「彼女の顔に笑顔が表れたことを、私と研究チームは決して忘れないだろう」と述べました。
またもう1人の患者である麻痺を患った60代の男性は、脳に埋め込まれたチップを介して思い通りにスクリーン上に線を引くことに成功しました。
この技術は、脳に直接チップを埋め込み、腕を動かすための脳内の電気信号をキャッチします。その後、電気信号をロボットアームに送ることで自由自在にロボットアームを動かすというものです。
ハッチンソンさんが行った今回の実験では、6回中4回、コーヒーを飲むことに成功したとのこと。実用的な利点がある装置だということを証明しました。
今後の研究によって、ワイヤレス化することで直接ケーブルを脳に繋がなくても使えるようにする他、歯を磨くなどの複雑な動きをできるようにすることを目指しています。
さらに脳チップを使うことで、思い通りに自分の乗る車椅子を動かしたり、ドアの開閉を行ったりできるようにすることも目指しています。そしてそれらの技術のいくつかは、数年以内に実現できるとしています。
まさに電脳化とサイボーグ化を実現できるこの技術。将来的には、一般の人々も脳にマイクロチップを埋め込み、思い通りに周辺機器を操ったりインターネットに接続できるようになるかもしれませんね。