あなたは今、テレビ、ラジオ、携帯電話、通信衛星などから送信される電磁エネルギーに囲まれながらこの記事を読んでいます。
ジョージア工科大学の研究チームは、無線センサー、マイクロプロセッサ、通信チップなどの小型電子機器を動かすために、この電磁エネルギーを捕捉できる装置を作成しています。
Manos Tentzeris博士率いるジョージア工科大学の研究チームはインクジェット印刷技術を応用して紙や柔軟なポリマー上に電磁エネルギーを受信できるアンテナを印刷する技術を開発しました。
これまでにラジオやテレビなどから電気を作り出すことに成功しているといいます。
研究チームは今後、エネルギーを電池のように超伝導体に蓄積し必要レベルに達すると利用できる研究をすることを検討しています。このアプローチが成功すれば現在1ミリワット程度で稼動する電子機器にしか使えない電磁エネルギーを、50ミリワット程度を必要とする電子機器にも使えるようになることが期待できます。
またこの技術は、他の電力発電技術との併用も可能だといいます。例えば、日中は発電する太陽電池のバッテリーを補助し、夜にはバッテリーの充電を補助し放電を防ぐことができます。
さらに、バッテリーが完全に無くなった場合にもシステムの重要な機能を維持させるなどの「システムのバックアップ機能」としての利用法が考えられます。
ジョージア工科大学の研究チームは、この電磁エネルギー紙アンテナは低コストに加え、自己発電型でワイヤレスなため、どんな分野にも利用することが可能であり、産業や使用場所を問わず広く普及していくだろうとしています。