経営者として世界的に高い評価を受けているアップル前CEO(最高経営責任者)スティーブ・ジョブズ。一方、アップル現CEOのティム・クックは、ジョブズとその経営手腕が比較されことが多く、一般的にはジョブズよりも良い評価はされていません。
しかしアップル従業員を対象に行った調査によると、アップル従業員は現CEOティム・クックの方が前CEOスティーブ・ジョブズよりも良い仕事をしているとしています。
この調査は、仕事サイト「Glassdoor.com」が行ったものです。調査によると、2010年3月～2011年3月までのスティーブ・ジョブズの支持率は95%なのに対し、2011年3月～2012年3月までのティム・クックの支持率は97%、比較するとティム・クックの支持率の方が2%高かったといいます。
このほかの企業では、アメリカの携帯電話関連の通信技術開発企業「クアルコム」のCEOポール・ジェイコブスの支持率は94%、グーグルのCEOラリー・ペイジの支持率は94%でした。
スティーブ・ジョブズが伝説的になっていますが、実際にはティム・クックの仕事ぶりは部下たちからも高く評価されているようです
アップル従業員のティム・クックに対する高評価を裏付けるものとして、アップルの株価が挙げられます。スティーブ・ジョブズの死後、アップルの株価は上昇を続けており死後5ヶ月で50%以上も上昇、さらに3月15日にはその株価が600ドルの大台を超えています。
さらに、最近労働環境の劣悪さが問題となっているアップル製品を製造している中国のサプライヤー「Foxconn」にも訪問しています。
しかし、劣悪な環境でアップル製品を製造しているFoxconnの中国人労働者たちは、今回のクックの支持率の高さに驚くかもしれません。調査でFoxconnの労働者らは、週76時間労働、休みなしで連続11日働かされている実態が浮き彫りとなっています。
世界的な企業となったアップルには、サプライヤーである中国企業の労働環境改善までもが企業の評価に直結します。現在は高い支持率を維持しているティム・クックですが、スティーブ・ジョブズから引き継いだアップルの問題の解決ができなければ、この支持率を維持していくことは難しいかもしれません。
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