フランスで4～5月に行われる大統領選挙の立候補が16日に締め切られます。再選を目指すサルコジ大統領は、反移民や保護主義など内向きな政策を連発し、欧州債務危機で有権者が抱く不安に応えて劣勢から抜け出しつつあります。対抗馬のオランド社会党前第１書記は年金支給年齢の引き下げなど社会福祉の充実策を提唱。上位2人が人気取りに走り、財政再建など痛みを伴う課題が後回しとなっている状態です。
しかし、このフランス大統領選には、快楽主義を掲げるリベラルなフランスの政党「快楽党」から立候補するおっぱい丸出しの候補者がいることをご存知でしょうか。快楽党の党首サンディー・リー(仏: Cindy Lee)氏は、おっぱいを出して2人を猛追しているようです。
快楽党は、2001年にヌードダンサーやポルノ女優など性労働者の女性が中心となって設立された政党で、Tバックにブラジャー姿や、胸を露出した格好で選挙運動を行うなどしたことから、メディアで注目を浴びましたた。結党以来、党首はポルノ女優＆ヌードダンサーのサンディー・リー(仏: Cindy Lee)氏が務めています。立党の目的は集団の利益よりも個人の幸福を追求することにあり、個々人が幸せになれる社会を目指しています。
2011年12月6日に行われた街頭演説では、おっぱい丸出しの半裸状態で街を歩き、有権者に政策への支持を訴えました。しかし、16日に締め切られる大統領選挙の立候補には、国会議員や地方議員などから500人分の推薦署名を集めなければいけませんが、15日時点で1票しか集められておらず大統領選挙への立候補は絶望的だといいます。
しかし、快楽党が政治参加を試みたのは今回が初めてではなく、これまでにも幾度となく選挙活動を行ってきました。
選挙結果
2001年3月の統一地方選挙でパリ第5区に当時のパリ市長だったジャン・チベリに対抗してパリ市議候補を擁立しようとしたが、警察が公安を理由に同党候補の出馬を受理しなかった。
2002年フランス大統領選挙にサンディー・リー党首が出馬表明したが、立候補に必要な500名の役職者からの公式な推薦が集まらず、出馬できなかった。
2002年国民議会議員選挙（6月9日、16日投票）ではパリ第1区からリー党首が出馬し、157票(0.41%)を獲得し、落選した。
2004年3月のヴァル＝ド＝マルヌ県議会議員選挙ではアルクイユ市からリー党首が出馬し、152票(1.78%)を獲得して、落選した。
2007年フランス大統領選挙でもリー党首が出馬表明したが、立候補に必要な500名の役職者からの公式な推薦が集まらず、出馬できなかった。
2007年国民議会議員選挙（6月10日、17日投票）ではパリ第5区からリー党首が出馬し、430票(1.06%)を獲得して、落選した。
また、快楽主義を掲げる快楽党は次のような政策を打ち出しています。
政策
・戦争をやめてセックスをしよう。
・コンドームを1個0.1ユーロ(約11円)で配布する。
・孤独に悩む人や失恋者を救う救急車制度を創設する。
・あらゆる性暴力と闘う。
・人種差別、ユダヤ人差別、ゲイ嫌悪（仏: homophobie）、レズビアン嫌悪（仏: lesbophobie）と闘う。
・裸体になって行動できる公の場所をつくる。
・同性カップルに子どもを養子縁組する権利を与える。
・「愛の日」という休日をつくる。
・すべての人に快楽を得られる権利を与える。
・大人も含めて性教育を強化する。中学校でも性教育を徹底して行う。
・刑務所の中にセックスができる面会所をつくる。
・高校でナンパを教える授業をつくる。
・反原発。遺伝子組み換え作物・反対。車の使用を減らす。
・長くフランスで暮らしている移民に投票権を与える。
・衛生・安全の観点から、売春宿を合法化する。
これらの政策の中には、理想主義的なものもありますが、多くの人からも指示されるものも一部あるといえそうです。
おっぱいを出すことでメディアに注目を浴び、自分達をアピールする手法は、ウクライナの女性権利団体「FEMEN」と似ている部分があります。果たして、快楽党はフランス、そしてEUの未来を変えることができるのでしょうか。
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