火星探査機スピリットの5年間の活動を167秒にまとめたタイムラプス動画


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火星調査のために派遣された探査機スピリットは、5年3ヶ月27日間を火星上で調査活動のために走り回りました。そのスピリットが右フロントカメラで撮影した画像は3500枚にも及びます。

今回ご紹介する映像は、その3500枚もの画像を繋ぎ合わせたもので、たった167秒で5年以上の調査活動の全てを表しています。

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スピリットはアメリカ航空宇宙局 (NASA) の火星探査車であり、マーズ・エクスプロレーション・ローバー計画でオポチュニティと共に火星に送られた無人探査車の一つです。


スピリット

スピリットは、2003年6月10日に打ち上げられ、2004年1月3日に火星表面に着陸しました。打ち上げ直前の2003年2月1日に発生したコロンビア号空中分解事故を受けて、中型ゲインアンテナの裏には死亡した搭乗員7人を記念したプレートが取り付けられています。また着陸地点は「コロンビア・メモリアル・ステーション」と命名されました。

火星大気中の埃が太陽光発電パネルに積もり、発電量低下が続いていましたが、2005年3月12日と2009年2月6日には、火星表面に発生するつむじ風によってパネルの埃が吹き飛ばされたのか、発電量が回復しました。

しかし、2009年5月、トロイと呼ばれる砂地を通過しようとした際に車輪が砂に填まり、身動きがとれなくなりました。以来その場にとどまって観測を続けていました。脱出のための車輪回転が同年11月17日から断続的に行われましたが成功せず、NASAは2010年1月26日に脱出を断念し、静止観測点としての活動を続けると発表しました。

その後、冬季に入り徐々に発電量が低下し始め(スピリットは、赤道からやや離れたい場所に着陸したため、冬季は日照量が少なく発電量が足りない)、最終的にバッテリーも尽きて全システムがダウンする事態に陥りました。冬季を抜けて日照量が回復すれば復旧の可能性はありましたが、「全システムがダウン」した場合の復旧条件は「-100℃という極寒を、ヒーターを使わずに電源系が生きている」という極めて過酷な条件でした。NASAはわずかな可能性にかけて、冬季を抜けたスピリットと交信を試みますが、交信が回復すことはなく、2011年4月に正式にスピリットのミッション終了宣言が下されました。

そんな紆余曲折を過ごした様子が、この映像です。このスピリットの死(故障?)を無駄にしないためにも、集めた情報を今後の宇宙開発の糧にしてもらいたいですね。

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