自分たちの主張をむやみやたらにわめき散らすデモ隊と、それを暴力で押さえ込もうとする機動隊の茶番は、見ていて気分の良いものではありません。
ところが、コロンビアのボゴタで学生たちによって行われた高等教育の民営化に対する抗議デモでは、そんな血なまぐささは全くありません。彼らは愛の力で自分たちの意見を主張します。
チリのデモ隊が行った教育制度の改善を訴えるキス抗議など、南米の国々のデモはユニークなものが多いようです。
コロンビアでは、10月12日から全国の公立大学の学生が教育改革法案に抗議して無期限ストトライキを行っており、このストトライキに参加している学生数は50万人にのぼるとみられています。
このストライキは首都のボゴタ以外にもカリ、メデジン、バルラキジャ、ペレイラ、トゥンハ、マニサレスなどの各都市に広がっています。
今回の騒動は、政府が3日に国会に提出した10年間で高等教育機関の学生定員を60万人分増加させる方針を示す一方、公立大学に独立採算制を導入する内容が含まれる法案が発端となっています。学生たちは、独立採算制によって経営破綻する大学や教育の質の低下の懸念を訴えています。
10月12日に始まったストライキは2日後には、全国で1人の死者と70人以上の負傷者を出しました。しかし、今回行われたデモによって学生たちは愛と創造性によって、暴力以外の方法で意見を主張できることを示しました。
罵声や投石よりも、キスや花を贈るほうが世の中を変えるパワーがありますね。彼らの姿から我々が学べることは、たくさんありそうです。