リアルお口チャックをした男性がいました。
女性を暴行した容疑で有罪判決を受け、タクシー運転手免許証と仕事を失ったタクシー運転手Hassan Hoviatさん(43歳)は、イギリス・ブリストルの治安判事裁判所の前で無実を訴えるためにハンガー・ストライキを行いました。ただ、信念を示すために口を糸で縫った点では、普通の抗議と異なっていました。
無罪を主張するメッセージを掲げてハンガー・ストライキを行うHassan Hoviatさん
彼は、9月26日の午前10時40分から唇をタコ糸で縫いつけて、メッセージを掲げて抗議を開始しました。
メッセージには「私がここにいるのは、提出した重要な証拠のいずれも裁判所は考慮していないからだ」と書かれていました。
唇をタコ糸で縫いつけた理由を聞かれると、彼は「あなたに発言する権利がない場合には、弁護する権利もない」と書いて説明しました。
現在、彼には妊娠19週間目の妻と生後16ヶ月の息子がいますが、職を失ったことで彼らを守ることが出来なくなるため、今回のハンガー・ストライキを起こしました。
彼は6月6日に、今回とは別件の暴行の罪で8週間の間、午前7時から午後7時までタグを付けられ夜間外出禁止令を与えられていました。
その後7月17日にタクシー業務中、女性客と料金について口論となりました。女性客はタクシー会社にクレームを付けると言ったので、Hassanさんはタクシーを停車し女性客を降ろし置き去りにして走り去りました。
裁判では、Hassanさんがタクシーのドアを開けて女性客が最終的に降りざるを得ないようにしたことが、虐待にあたると判断しました。
この裁判で、Hassanさんは被害者に200ポンド(約2万4000円)の損害賠償と、620ポンド(約7万4000円)の裁判費用を支払うことを命じられました。
評議会では、タクシー運転手は安全性を維持するために乗客を送り届ける義務があるとして、今回の判決を覆さないという判断をしました。
まさか、口を糸で縫って抗議するなんて誰も想像しなかったでしょう。これほどの信念を貫ける男だったからこそ、女性客の脅しが許せなかったのかもしれませんね。