世界には、さまざまな文化が存在しており、その中には多種多様な言語も含まれています。ところが科学者は、世界中で使われている多種多様な言語が、21世紀以内に50%~90%が消滅してしまうかもしれないという予測を出しています。
この予測を出したペンシルベニア州立大学のGorenflo博士は、言語と一緒に固有の物語や文化が消滅する可能性を指摘しています。そして、固有言語・固有文化の代替として工業化された世界言語・世界文化が普及するといいます。
Gorenflo博士によると、言語の多様性は小規模な経済グループが消滅することによって失われるといいます。例えば、アマゾンなどに暮らす先住民族の言語は、チェーンソーの導入によって言語の面でも近代産業経済に関連する「チェーンソー」という言葉が導入され、結果、既存の言葉がそれらの言葉に置き換えられる傾向にあるといいます。さらに近代産業経済が導入されることで、地元の文化や価値観も近代産業経済に置き換わっていくと指摘します。
最新の研究では、希少な言語が使われている地域の70%は、同時に多様な生物が生存している環境であることが分かっており、多様な言語や文化が消滅することは多様な生態系の破壊とも関連性があるといいます。
今回の研究の通り、今世紀中に世界の90%の言語が消滅するとなれば、それは生物多様性も同様に消滅する可能性を示唆しているといえます。
Gorenflo博士は「多くの場合、1つの言語が消滅した場合、1つの生物種が絶滅する」といい「この研究は、世界で最も生物多様性において重要な地域を特定するのに役立つと思います」と語りました。
文化の多様性と生物の多様性には関連性があるようですね。これらの多様性を守ることは、グローバル化を進めるにあたって非常に大切なポイントですね。