毎日膨大な数の人々がささいなことをつぶやいているSNSのツイッターですが、これを使って市場を予測する試みがイギリス・ロンドンで行われています。
これは投資機関「Derwent Capital Markets(ダーウェント・キャピタル・マーケッツ)」が行っているものです。アナリストは”ヨーロッパ初のソーシャルメディアベースのヘッジファンド”として、ツイッターのつぶやきから市場を予測する2500万ポンド(約30億円)のファンドを立ち上げました。
人々の気持ちと市場が連動することは知られており、これを使ってツイッターのつぶやきからキーワードを調べ、それに合わせて投資を行います。
インディアナ大学の情報科学とコンピュータが専門のJohan Bollen博士が作成したツイッターの解析プログラムは、昨年10月のニューヨークのダウ平均株価において87.6%の精度で予測できたといいます。
Bollen博士は「私達はオンライン上のコミュニティの感情を記録したが、それが正しいか証明できなかった。そこで、私達はダウと相関関係があるか調べた。その結果、市場が落ち込むとツイッター上の人々の気分も落ち込むことがわかった。」と語りました。さらに「その後、我々は逆であることに気が付いた。つまり、人々の気分や感情が落ち込む方が市場の落ち込みに先行することにだ。」と語りました。
現在のところ比較的上手く機能していますが、もちろん問題点もあるようです。今年初めに、映画監督のDan Mirvish氏と女優のアン・ハサウェイが話題になった際、ウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハサウェイ社の株が急上昇するという予測が出ました。これは、ハサウェイというキーワードがバークシャー・ハサウェイ社の取引が過熱するとコンピュータが判断したことによるものだと考えられています。
しかし、偶然なのかアン・ハサウェイが今年のアカデミー賞を受賞する直前にはバークシャー・ハサウェイ社の株価が2.02%上がるという出来事も起こりました。
社会が複雑すぎて、それに対応したプログラミングはできていないため未完成な部分もあるツイッターによる市場予測ですが、今後も機能を改善していけば普及する可能性もあるかもしれませんね。