アメリカ企業ツイン・クリークス・テクノロジーズ(Twin Creeks Technologies)社が、従来のコストの半分で太陽光発電パネルを製造できる画期的な技術の開発に成功したことを明らかにしました。この技術は、ミシシッピ州セナトビアに建設された工場で秘密裏に研究が進められてきました。
ツインクリーク社の(CEO)のシヴァ・シヴァラム氏によると、現在、太陽光発電での最低価格は1ワットあたり80セント(約67円)ですが、同社の技術を用いれば1ワットあたり40セント(約34円)程度で電気を生み出すことができるといいます。
現在の太陽電池は、製造の過程で太陽電池が壊れるのを防ぐため、厚さ200マイクロメートルのシリコンウェハを使用しています。さらに、製造過程でその半分のシリコンウェハを廃棄してきました。しかし、シリコンウェハに金属皮膜をほどこし耐久性を上げる同社の技術を用いれば、厚さ20マイクロメートルのシリコンウェハで太陽電池が作成でき、さらにシリコンウェハを廃棄する必要がないといいます。
この製造方法では、シリコンウェハの量を10分の1にしてコストを削減できるだけでなく、これまでの製造ラインに同社の開発した装置を設置するだけで技術を導入できるため投資コストを抑えられるといいます。
この製造方法では、イオン加速装置を使い強力なイオンビームを発射する必要があります。しかし、このイオンビームには非常にエネルギーが必要なためコストがかかり、これまで今回の太陽電池の製造方法を実現させることができませんでした。同社は、この技術的な問題を市販の10倍のイオンビームが発射できるイオン加速装置を開発することでクリアしました。
同社は、この機械の販売ではなく直接太陽電池の製造をすることで利益を上げることを目指しています。
機械を販売して利益を上げるのではなく、太陽電池生産によって利益を上げようとしていることからも、この技術が本物であることがうかがえます。現在の半分のコストで太陽電池が製造できるようになれば、エネルギー業界全体に大きな波紋が広がりそうです。