ジュリア・ロバーツが主演を務めた映画『食べて、祈って、恋をして』の原作者であるエリザベス・ギルバートが、人々が芸術家や天才に抱く無理な期待を巡って考察します。そして、わずかばかりの一個人がジーニアス(天才)「である」のではなく、人間はみなジーニアスを「持っている」のだという急進的な考えを語ります。これは私的であり、可笑しいながらも、驚くほど感動的な講演です。
創造性を発揮する仕事の全般においては、常に成果や評価が求められるため、クリエイターは常に精神的に不安定な状態になり続けるといいます。そのため、多くのクリエイターは不安に苛まれて健康被害を受けています。
そこでエリザベス・ギルバートは古代ギリシャとローマにあった考え方から、現在ある創造性の概念を再定義します。現在では、個人の内部から発せられる才能(ジーニアス)を、古来どおりに妖精として定義し、クリエイターは妖精ジーニアスの力を借りることで、創造的な作品を制作するという風にします。この考え方なら、失敗や成功を妖精ジーニアスの責任とでき、自分は精神的に守られるというのです。
彼女の語る考え方は、まさに宗教の効用と同じであり、上手く使えば人間を救うことができます。このパラダイムシフトによる問題解決は、感覚的な女性ならではの、ユニークな問題への対処法なのかもしれません。