この少年はやっと入れるほどの小さな穴に入って、鉱物を採取することを生業にしています。子供たちは水銀に汚染された手を洗わずに食器を触り、食べ物を食べるため、口内炎や関節炎を引き起こしています。ここには、衛生も教育も希望さえもありません。
そして、このような環境で採掘された「違法な金」の多くは英国のジュエリーショップで売られているのです。
Massire Sijnate(16)はセネガルのTenkoto村近くの金鉱山で作業をしている
「ブラッド・ダイヤモンド」反対キャンペーンによって、ダイヤモンドに関しては”適正な労働環境の中で採掘されたものを”という意識が高まってきてはいますが、金の採掘に関して言えば、関心があまり高くありません。
そのため、業者によって違法で過酷な労働が行われていても問題視されにくく、金を取り出すための過程で、有毒な水銀を素手でかき混ぜたり、蒸発した水銀を吸い込むなどによって健康被害が起こっています。
世界中で生産される金の10%ほどが、このような違法な小規模、非公式な鉱山で生産されており、こういった鉱山で働く人の中には頭痛、関節痛、脱毛、口内炎などの症状がでる人もいます。違法鉱山があるホンジュラスの政府の調査によると、血液中に含まれる鉛量が世界保健機関が設定した安全基準の2倍以上という結果もでています。
ダイヤモンドや金に限らず、立場の弱い発展途上国で生産されるコーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウなども過酷な労働の中で生産されたものも少なくありません。
自分達が消費するものを生産するために苦しんでいる人がいることを知ることが問題解決の1歩なのかもしれません。
みなさんは自分が身に着けている”金”がどこで採掘されたか知っていますか?