大日本帝国陸軍内部でも存在が秘匿されていた諜報や防諜、宣伝などの秘密戦に関する教育や訓練を目的とした陸軍中野学校の1期生に関する陸軍大臣への「卒業報告書」が見つかりました。この報告書から、なんと諜報員に「忍術」を教えていたことが明らかとなりました。
終戦直前、関係資料は焼却されたとされていましたが、創設時の教育内容が公文書で確認されたのは初めて。爆破実習や写真技術をはじめ、忍術もカリキュラムに含まれていたことが明らかになりました。
アジア歴史資料センターが公開した防衛省防衛研究所の資料の中から、山本武利・早稲田大名誉教授(情報史)が見つけました。
中野学校は、「後方勤務要員養成所」として設立されたと考えられてきましたが、更に前身として「防諜(ぼうちょう)研究所」が1938年4月に、東京・九段に設立されていたことが報告書で判明しました。翌年、中野に校舎を移して養成所に、40年に中野学校に改編。45年の廃止までに約2300人が卒業したとされています。