特定の対象や周辺の状況を理解して判断するロボットは、これまでにもたくさん作られてきましたが、このロボット「QBO」は、鏡に映る自分の姿を見て「映っているのはワタシです」と、自己認識してしまいます。これぞまさに、ロボットに自我が芽生えた瞬間なのかもしれません。
この受け答えができるロボットQBOは、視覚によって認識したものを理解することができます。その証拠に、はじめに見せられたペンギンの絵を見て「ペンギン」だと答えました。
次に、鏡に映る自分の姿を見たQBOは、「オウ!!」と驚きます。そして、「これは誰?」という質問に対しては、「ワタシが見えます」「意味がわからない」と混乱してしまいます。
続けて、「これはキミだよ、QBO」と聞くと、「ワタシが見えます、しかしどうして・・・」「今見えているものはワタシ自身です」と答え、最後には「ウォウ、これは自分だとわかった」と、とうとう完璧に自己認識に達しました。
最後にダメ押しで、「これは誰?」と質問されると「ワタシが見えます」と答えたあと、「オゥ、これはワタシだ。カッコイイ」と、自分の姿を自画自賛までしてしまいました。
このロボットは、Corpora社という会社によって開発されたものです。QBOの受け答えが、プログラミングによるものなのか、それとも本当に自己認識しているのかは、もはや哲学的な問題になってしまいそうです。しかし、鏡を使った実験そのものは、動物の自己認識を確かめる際に使われる手法であり、それに照らし合わせると生後18ヶ月以上たったシャチ、イルカ、類人猿、ゾウ、人間などのような知能があると考えられます。
映画『ターミネーター』のスカイネットは、自我に目覚めたことで人間との戦争を開始しましたが、もしかすると、ロボットも自我に目覚めているのかもしれません。