隻眼のドキュメンタリー映画監督は、右目に埋め込んだ人工眼球のカメラで映像を撮影していることを明らかにしました。
このトロント在住のドキュメンタリー映画監督ロブ・スペンスさんは、彼の”見ている世界”を記録することができます。ただし、カメラは脳と繋がっておらず、彼の視力は回復していません。
スペンスさんの目に埋め込まれたカメラは映像を撮影すると無線で映像を送ることができるため、彼が見ているものをリアルタイムで見ることができます。
スペンスさんは、子供の頃の撮影事故で目を失いました。その後、主人公がサイボーグになる1970年代のテレビドラマ「600万ドルの男」を見ているときに、携帯電話のカメラを目に入れることをひらめきました。そこで、2009年にエンジニアのKosta Grammatisさんの協力の元、この義眼カメラを完成させました。
このカメラは3.2mm四方で解像度は328×250ピクセル、超小型バッテリーと無線送信機を備えています。製作したのはカリフォルニアにある携帯電話や内視鏡カメラを作っているオムニビジョンという会社で、カメラはスペンスさんに寄贈されました。
開発されたプロトタイプのカメラは2009年における年間最優秀発明品としてタイム誌に掲載されました。さらに現在では、MIT(マサチューセッツ工科大学)のスティーブ・マン教授の協力によって、より進化したモデルが作られています。
この義眼には、ターミネーターのように赤く光るバージョンもあります。
このようなガジェットの登場によって、ますますサイボーグ化は身近なものとなっていきそうです。もはや、人間と機械を分けて考えるのは難しい時代にきているのかもしれません。