経済格差の是正を訴え、ニューヨークのウォール街では大規模なデモが発生しています。3週間以上続いているデモには、労働組合や学生などから構成された2000以上のグループが参加し、映画監督のマイケル・ムーアやハッカー集団アノニマスからも賛同の声が挙がっています。
このデモに対し大統領候補のハーマン・カイン氏は「あなたが金持ちでないのは、あなた自身の責任です。」と訴えました。
1000人以上の学生は、2011年9月17日から続いている抗議活動「ウォール街を占拠せよ」にて、ここ2週間に渡ってズコッティ公園に泊り込み抗議活動を続けています。
デモ隊は、ウォール街で働く人々など人口の1%の人間が富を独占しているとして「我々は99%だ」と主張し、失業や経済不平等を批判しています。
これに対し、共和党大統領候補のハーマン・カイン氏は、オバマ大統領の失策によって今回の事態が発生していると主張しました。
ハーマン・カイン氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対し「ウォール街のせいにしないでください、大手銀行のせいにしないでください、もし、あなたに仕事もお金もないなら、あなた自身の責任です」と語りました。
デモを開始した、学生達はズコッティ公園を本拠地としており、アメリカ全土から集まった労働組合などのグループはズコッティ公園に滞在する予定だという。
ニューヨークのデモへの参加者は1万人を突破し、デモはニューヨークだけに留まらず、全米の100を超える都市に飛び火しています。
さらに、彼らはフェイスブックなどのソーシャルメディアを利用し情報を絶え間なく発信し続けています。
ニューヨークを占拠するというデモのアイデアは、スペイン、ギリシャ、エジプト、チュニジアなどで起こった暴動に触発されたものだとしてます。そのため、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを多様し情報を各地域に拡散させています。
これらの抗議活動に対し警察側も黙っておらず、アセンブリでは1日で交通を妨げた6つのデモ隊を逮捕しました。また、10月1日にはブルックリン橋を埋め尽くしたデモ隊メンバー700人を逮捕しました。
泊り込みを続ける若者
チュニジアやエジプトなどでは具体的に「政権を打倒する」という目的があり、それを終えた時点でデモは終結しました。しかし、今回のデモ活動は過激さを増し拡大を続けていますが、終結するための具体的な目標がないため、どのようになれば幕引きになるのかが誰にも分かっていない状態にあります。今後、どのようにでも活動が変化し収束するのかが注目されます。