FM東京社員の延江さんと村上龍さんの対談です。
今回はアメリカ軍のビンラディン殺害事件とアルカイーダという組織について討論しています。
村上さんはアルカイーダという組織がビンラディンの統治下にあるわけではなく、各自がそれぞれテロを行っていると指摘する。
なぜなら、アルカイーダという言葉は基地を意味し、旧ソ連とアフガニスタンとの戦争時に事務所として機能していた時に使われていた名称だとしている。
そのため、中央集権型の組織ではなくマトリックス構造をした組織であるため、アルカイーダはメディアが状況を分かりやすく伝えるために作り上げた象徴に過ぎないという。そのため、アルカイーダがどんな組織なのか、そもそもあるのかどうかさえもわからない。
つまり、ビンラディンが死んだことによってアルカイーダが消滅することはなく今後も泥沼の戦争が続いていくことを示唆している。
世界の状況が複雑化する中で、村上さんが指摘しているように民衆が「楽になるため」に単純化した図式を頭に入れて安心することで、より問題をややこしくしている原因になっているのかもしれない。