以前ご紹介した35ドルの世界最安値タブレット「Aakash(アーカッシュ)」ですが、今月の後半にも販売が開始されることが分かりました。このタブレットは、無線によってインターネットにアクセスできる世界で最も安いタブレットとされており、日本円に換算すると値段は2800円程度だといいます。
「Aakash(アーカッシュ)」は、インド政府と英通信機器会社データウインドが共同して開発したもので、昨年にはインド政府が主催するITプログラムで、旧モデル10万台がインド人学生に販売されました。
今回発売される新型モデルは、旧モデルに比べてより多くの機能を備えていますが販売価格は35ドル(約2800円)です。
データウインド社の最高経営責任者(CEO)のSuneet Singh Tuli氏は、「我々はすでに300万人の個人ユーザーからの事前予約を受けています」と語っており、これが本当ならiPadやキンドルといったタブレット市場に激震が走ることは必至となります。またSuneet Singh Tuli氏は、世界中の40億人のユーザーに対して手頃な価格でインターネットへのアクセスを提供すると述べています。
データウインド社の狙いは、発展途上国にいる低所得者層が求めているインターネットへアクセスするための最初のデバイスを提供することにあります。
インドのシン首相は、世界にはインターネットにアクセスしたいが、その金銭的な余裕がない人々が40億人いるとしています。例えば、インドでは12億人の人口のうち、インターネットに接続できる人はたった8%しかいません。
グーグルによると、インドの人々が手頃なスマートフォンによって簡単にインターネットにアクセスできるようになった場合、インドのインターネットユーザーは3年間で3倍になるだろうと予測しています。
しかし評論家の中には、この低価格のタブレット「Aakash(アーカッシュ)」に対して、画面が薄暗く、バッテリー寿命が短く、反応時間が遅いという欠点が指摘されています。この意見についてシン首相は、製品に対する不当な評価だと跳ね除けました。
もし、この「Aakash(アーカッシュ)」が販売されれば、性能はともかくとしても多くの貧しい人々がインターネットに接続できるようになることが考えられます。そうなったとき、インターネットでは一体どのようなことが起こるのかも注目されます。