今なお不安定な情勢が続いている中東諸国ですが、エジプトで軍によって行われたデモ隊鎮圧の様子がインターネット上にアップされ「あまりにもヒドい」と大きな批判を受けています。
このデモ隊鎮圧は、17日にカイロ中心部にあるタリハール広場で行われたもので、装備に身を包んだデモ隊に対して、武装した兵士たちが容赦なく攻撃を加えています。
撮影された映像や動画では、すでに倒れて抵抗できなくなったデモ参加者を数人で取り囲んだ兵士たちが、顔面を棒で殴ったり胸を足で蹴る様子などが収められています。また、群集に向かって無差別に銃を撃つ様子やテントを燃やす様子も撮影されています。
今回のデモは、ムバラク政権崩壊後の暫定統治を担う軍に対して、若者らが速やかに民政に移管するよう求めて行われたものです。今回のデモ隊排除行動で軍は、テントに火を放って撤去したりデモ隊を武力鎮圧したことで、保健省によりますと10人が死亡し500人近くがケガをしたということです。
この一件に対して、軍と国民の間の橋渡しの為に軍が学識経験者や企業経営者などから選んだ諮問委員会のメンバーの30人のうち9人が、軍の暴力に抗議して相次いで辞任しました。
タリハール広場周辺では、現在も数千人のデモ隊が兵士たちに石を投げるなどして抗議活動を続けており、軍の対応に批判が高まっています。
今回の軍のデモ隊鎮圧作戦の手荒さは、各国でも報道されており、国際社会からも批判を受けています。