8歳というと、普通なら外で遊びまわったりテレビゲームに夢中となる年代です。しかし、8歳のイラク人の少年カマル・ハシム(Qamar Hashim)くんはプロの写真家として活動し、その撮影された素晴らしい写真が国際的にも注目されています。
カマルくんは、首から一眼レフカメラをぶら下げて、今や戦争の代名詞となってしまったイラクの首都バグダットをさまよい歩き、街中に溢れる心温まるシーンを撮影しています。
カマルくんが撮影するイラクの写真は、過去10年間に世界中から集まってきたカメラマンに撮影されてきた写真とは大きく違い、荒廃した建物や流れる血はありません。カマルくんが撮影する対象は、古本屋で熱心に本を読む人や美しい夕日などイラクの本来の日常です。
カマルくんはインタビューで「初めて写真を撮影したときのことは正確には覚えていませんが、4~5歳のころに父親の真似をしてチグリス川、カモメ、鳥、古民家などを撮影したのが最初だったと思います」と語りました。
カマルくんは、8歳という年齢ながらもすでに写真撮影に関して非常に深い考えを持っていることは次の言葉からも分かります。「写真は非常に重要です。写真は生活を記録し時間を停止させます。私たちは、(その中で)都市、生活、人々を見ることができます。
バグダッドから150km離れた街クートで撮影された警察官の近くに立つ女の子
伝統的な菓子パンをのせたトレーを頭にのせて運ぶ2人の女性と女の子
カマルくんはアメリカ軍に対して、2003年、彼がお腹にいたときに家を破壊されたものの恨んでいることはないといいます。また、それ以上に自分たちの世代によるイラクの復興に期待しているといいます。