箱の中の袋には5つの頭が入っていた。
つい先日、2人を殺害して見せしめに橋に吊るしたメキシコの麻薬カルテルが、今度はメキシコのリゾート地アカプルコの小学校の前に、切断した5人分の頭を置いて脅迫するという事件が発生しました。
麻薬カルテルは「金を払わない場合には教師を殺す」としており、アカプルコ市内の130校は安全が確保できないとして緊急閉鎖されました。
頭は小さな袋に入れられ、木箱の中に置かれていました。この頭は、9月28日に小学校の前で発見されました。
箱の中にはメッセージが同封されており、対立組織のメンバー3人と麻薬カルテルへの対立姿勢を示しているゲレロ州知事への脅迫が書かれていました。また、皮肉な口調で「”この戦争”を継続できることを知事に感謝する」というような内容のことが書かれていました。
5つの頭の胴体部分は、前日に街中で発見されていましたが、焼け焦げて損傷が激しいため性別などを判断することができませんでした。
8月末に新学期が始まると、アカプルコの教師数十人が「10月1日から給料の半分を払え。さもなければ攻撃する」という脅迫を、麻薬カルテルから受けていました。
脅迫を受けた教師は政府の介入を求めて9月14日に、デモを行いました。横断幕には「アカプルコの平和と安全保障を要求する」と書かれています。
脅迫があってからは、学校関係者の多くが学校に行くことを拒否し、2週間に渡って閉鎖することになりました。
学校関係者は、脅迫後にストライキやデモを続けており100以上の学校が閉鎖する事態になっています。
ゲレロ州知事のエンジェル・アギーレ氏は、これらの抗議を受けて、警察のパトロール増加や学校の防犯カメラ・緊急ボタンの設置を含む一連の措置を約束しています。
しかし、教師らは自分や生徒の安全のことを考えると怖くてならないといいます。
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