2011年9月11日でアメリカ同時多発テロ事件からちょうど10年が経ちますが、それを記念してライトアップによって生み出された光のツインタワーがニューヨークに現れました。
30人の照明技師の専門家チームによって設置された88台のサーチライトで”再建”されたワールドトレードセンターのツインタワービル、2001年に起こったこの事件で亡くなった2753名の方々を弔いました。
iPadのアプリを使ってテストをするデザイナーのFrank Hollenkampさん
これらのライトは7000ワットの出力の青い光を放つことができ、60マイル(約96km)以上の距離からも見えるという強力なものです。
この日、大雨が降りしきるニューヨークでライトを設置した専門家チームは悪条件の中、光の焦点が少しの誤差で台無しにしまうとあって緻密なセッティングを繰り返し行いました。
このプロジェクトを指揮したマイケル・アハーン氏は「このプロジェクトはあなたが想像する以上に難しい」と語りました。
このイベントはこれまでにも何度か行われてきましたが、主催しているNPOの「MAS」は資金が足りないため今後のイベントの継続が難しいことを訴えています。これらのプロジェクトには、年間で数十万(数千万円)程度の資金が必要なためイベント継続のための寄付を求めています。
2010年には、こういったライトによって数百羽の鳥が混乱するという出来事が起こり苦情が殺到したため短時間の消灯などの対応が取られました。
事故後、2004年7月4日に建築家のデビット・チャルズによって建設が始まった新しい貿易センタービルは、現在78階まで建設が進んでおり、2013年の完成時には104階建て、高さ1776フィート(約530メートル)のマンハッタンで一番高いビルとなる予定です。
世界貿易センタービルが建っていた場所は、現在ではこのように2つのプールになっています。
以下の映像はリハーサルで”建設”されたツインタワーです。
同時多発テロから10年が経ちましたが、テロ後にアメリカが始めたアフガン・イラクなど中東への戦争後も情勢は不安定な状態が続いており、各国の反イスラム感情やナショナリズムに傾倒した人々の他民族に対する報復テロなど民族・国家・宗教間の対立はいっそう激しくなりました。
グローバル化する世界で、こういった悲劇を二度と起こさないためにも世界中の人々に新しい相互理解の方法が必要なのかもしれません。