ロンドンオリンピックでは4日、陸上の男子400m予選が行われました。この予選で、南アフリカ代表で両脚が義足のオスカー・ピストリウス選手が(25歳)が45秒44の記録で2着に入り、5日の準決勝に進みました。
この種の障害を持つ選手が五輪に出場するのは初めて。ピストリウス選手は1600mリレーにも出場します。
ピストリウス選手は当初、国際大会の400mで五輪参加標準記録Aの突破に2度挑戦しましたがかなわず、代表選出は困難との見方が濃厚でした。しかし、南アフリカのオリンピック委員会が選考基準を緩和したこともあり、先月初旬に代表入りしていました。
代表に選ばれた後には「大きな名誉。長年の激しい訓練や決意、犠牲が実を結んだ」と喜び、五輪では準備に万全を期し自らの最高記録を更新したいなどとも語っていました。
オスカー・ピストリウス選手の走る様子
ヨハネスブルク生まれのピストリウス選手は生後11ヶ月の時、骨の障害を受けて両ひざの下を切断。レースでは特殊なカーボン製の義足を装着して走り、「ブレードランナー」の異名も持ちます。
ピストリウス選手はパラリンピックではこれまで金メダル4個に輝いています。韓国・大邱(テグ)で昨年開かれた世界選手権では1600mリレーのチーム一員として銀メダルも獲得していました。
韓国・大邱(テグ)で昨年開かれた世界選手権の様子
オスカー・ピストリウス選手と同じ義足
走っている様子や出している結果を見ていると、一定の条件が整えば生身の足よりも義足の方が速く走ることができるのかもしれません。ピストリウス選手の活躍によって、義足での競技の是非などの議論が起こるかもしれませんね。