近年不漁が続いているウナギの国際取引に関し、アメリカが規制を検討していることが17日分かりました。アメリカは希少な野生動植物の保護を目的とするワシントン条約の対象にウナギを加える案を検討しており、条約の締結国会議に提案するか今秋までに決定する方針。
また、ウナギ不足にあえぐ日本では、浜松市の商社によって日本で初めてとなるアフリカ産ウナギの輸入が進められています。
日本では、ウナギの国内供給量の多くを輸入に頼っています。稚魚(シラスウナギ)が東アジアで3年連続の不漁となり、養殖ウナギの価格が高騰しています。また水産庁によると、日本国内で取れる稚魚のシラスウナギは、2009年には推定で24.7トンでしたが、2010年は9.2トンに急減。その後も不漁続きで価格が高騰し、加工業者からは「中国、台湾産もどんどん上がり、とても商売にならない」との悲鳴も上がっていました。
今回、仮に規制された場合、国内の需給に大きな影響が出るとみられています。
郡司彰農林水産相は同日の閣議後記者会見で「(ウナギは)特別に資源が枯渇している状況ではないだろう」と規制に慎重な姿勢を示しました。ウナギの生態は不明な点が多いため、農水相はウナギの資源保護・管理の強化に向けて「産卵場所や回遊ルートなどの調査を進めたい」と強調しました。
一方で、新しいウナギの供給地の模索も行われています。
養殖用の稚魚の不漁が続きウナギの価格が高騰しているため、浜松市の商社によってアフリカ産のウナギが輸入されることとなりました。
日本鰻輸入組合(東京都)によると、食用として本格的に輸入されるのは初めてで、味は日本のウナギと似ているといいます。
輸入元は、バイクや楽器の部品などを扱う「昭栄商会」。相談を受け、仕入れ先を探していた同社は、欧州向けに「アンギラ・モザンビカ」を養殖しているアフリカ・マダガスカルに注目。日本で一般的に消費されている「アンギラ・ジャポニカ」と種類は異なりますが、フランス料理でよく使われ、味も似ているといいます。
なぜ規制されたり希少になると、妙に食べたくなってしまうのでしょうか。それはさておき、このままウナギの数が減ればうな重を楽しめなくなる日が来るかもしれませんね。