2011年9月に名古屋大などの国際的なニュートリノ振動実験グループOPERAが発表した「ニュートリノが光の速度を超えて飛行した」という衝撃的な実験結果をめぐって「タイムトラベル」の可能性に触れた報道さえ飛び交い、これまで世界中の科学者たちが支持して来た相対性理論がただちに否定されるかのような報道がされていました。
ところが素粒子のニュートリノが進む速度について、「OPERA」は、昨年発表した「光より速い」との実験結果を修正する方針を決めました。
指摘されていた実験の不備を解消したうえで先月、再実験し、ニュートリノと光の速さに明確な差は出なかったといいます。事実上の撤回で、3日から京都市で開かれるニュートリノ・宇宙物理国際会議で報告します。
OPERAは、スイス・ジュネーブ近郊の欧州合同原子核研究機関(CERN)からニュートリノを飛ばし、約730km離れたイタリアの研究所までの所要時間を測定。ニュートリノが光より60ナノ秒(ナノは10億分の1)早く到達したという結果を、昨年9月に発表しました。この結果から「光速は超えられない」としたアインシュタインの相対性理論を覆すのではないかと注目されいました。
今回の発表でタイムトラベルの可能性が消滅してしまったのは残念ですが、最新の科学技術の世界ではまだまだ分からないことが多いようですね。