2012年5月1日、TBSラジオの番組「赤江珠緒 たまむすび」で、楽器を一切演奏しないひたすら無音が続く前提的な曲『4分33秒』が放送され「放送事故だ」と話題になっています。『4分33秒』は、音が一切流れないため放送されているのか確認できないはずですが、多くのリスナーは『4分33秒』が流れているものとして、無音に耳を傾けていたようです。
『4分33秒』は、ジョン・ケージが1952年に作曲した曲の通称で、演奏される場合にはピアニストによることが多いため、ピアノ曲とされている楽曲です。この曲は、音楽は音を鳴らすものという常識を覆す「無音の」音楽とされており、楽譜には第1楽章、休み、第2楽章、休み、第3楽章、休みと書かれています。
そのため、楽章を通して休止することを示すtacet(オーケストラにおいて、特定の楽器のパート譜に使用されるのが普通である)が全楽章にわたって指示されているので、演奏者は舞台に出場し、楽章の区切りを示すこと以外は楽器とともに何もせずに過ごし、一定の時間が経過したら退場するという非常にシュールな曲となっています。
この曲をラジオで聞いたリスナーからは、「TBSラジオで「4:33」が流れてる!」「ジョンケージの4分33秒をTBSラジオで流して事故寸前w」という声が上がっています。
CDにもなっている(もちろん収録されているのは無音)この伝説の曲『4分33秒』、ラジオで放送されると芸術を通り越して何か哲学的な意味合いを帯びてきそうですね。