さまざまなものを溶かしてしまう炉の中には、電磁気力によって原料を空中に浮かべたまま溶かしてしまう「浮遊炉」という一風変わったものも存在します。今回は、そんな「浮遊炉」でアルミニウムの塊を溶かしてしまう実験映像をご紹介します。SFチックな動画をご覧ください。
太い銅線がグルグルと渦を巻いているような形状をした「浮遊炉」に、アルミニウム2.6gを置いてみると、渦の中心でフワフワと浮かんでしまいます。アルミニウムの塊は、そのまま小刻みに揺れながら時間の経過とともに徐々に変質していきます。
動画01:45あたりから、挙動が急に変化し10秒たらずで一瞬にして真っ赤に溶けてしまいました。その後、1200℃に達した溶けたアルミニウムはベチャッと地面に落ちてしまいました。
アルミニウムが落ちた理由としては、電源を切ったほかに、溶けたことで電磁気力の影響を受けない性質に変化したことが考えられます。
こちらは別の浮遊炉
浮遊炉とは、溶融炉の一種で原料を浮遊させた状態で溶融する装置で、坩堝を使用しないので溶融時に坩堝に起因する不純物の混入を防ぐ事ができます。一般的に無重力環境下での使用が知られていますが、保持方法によっては重力環境下でも使用できるとのこと。なんだか楽しくなってきてしまうSFチックな浮遊炉動画でした、