食べ物が大きく見えるメガネをかけると、少ない量で満腹感が得られる・・・。そんな「ダイエットメガネ」を、東京大学情報理工学系研究科の廣瀬通孝教授の研究グループが開発しました。廣瀬教授はバーチャルリアリティ、ヒューマンインタフェース(情報機器と人間とのコミュニケーション)が専門分野で、今回の「ダイエットメガネ」は、バーチャルリアリティー技術で視覚を操作し、内臓感覚とリンクしてみせたものだといいます。
廣瀬教授によれば、このメガネを使ってクッキーを食べさせた場合、通常よりクッキーを1.5倍大きく見えるように設定すると満腹を感じるまでの量が平均で9.3%減少したといいます。逆に0.67倍小さくして見せると、満腹になるまで15%多く食べたといいます。
実験はまず、20歳から30歳代の男女12人に満腹になるまでクッキーを食べてもらい、その後、ビデオカメラの付いたゴーグルを装着してもらい満腹になるまでクッキーを食べさせるというものでした。
構造としては、カメラで撮影された映像がパソコンを経由することで処理され、その映像をパソコンに接続されたゴーグルを通して見るというもの。映像はクッキーを拡大、縮小しますが、クッキーを持つ手の大きさは変えません。
廣瀬教授によると、実際の量よりも多く見える工夫をすれば、少ない量で満腹感が得られるというのは定説になっていますが、それを情報理工学の立場で実証したものだといいます。もともとダイエットに役立てようとの考えはなかったようですが、「ダイエットメガネ」の名前が認知され、期待の声も多く寄せられたこともあって、「これからはクッキーという単体だけではなく、手の込んだ複雑な料理も画像処理できる技術も開発したい」と抱負を語っています。
また、装着するだけで痩せられるダイエット用のメガネはこれまでにいくつか開発されており、食品を食べている際に匂いを送り込むことで満腹感を得られるものや青色サングラスをかけて食べ物を青く見せることで食欲を失わせるものなどがあります。
かけるだけ痩せられる夢のようなメガネですが、食事のたびにこのメガネをかけると食欲が落ちそうな気もしますね。
人間とは環境の産物
たとえ青くても青に慣れてしまう
そして食べ物が大きいと脳が認識したら
不思議と少量でも太るそういうものよ